こんにちは(^^)グループホームあかぎの磯です。
今回は、先日実施したBCP訓練についてお伝えします。
BCPとは、『業務継続計画』といって、万が一の地震や風水害などの災害で、通常の生活をすることができない状況が社会的に発生した場合においても、お預かりしている入居者様が生命を維持するための生活をすることができるよう、災害時備蓄を含め体制を整え、日ごろからのシミュレーションとBCPに則った実践訓練により、安全かつ円滑に支援を継続することができるようにするためのものです。BCP策定は介護保険法令にも位置づけられており、前年度までは猶予期間とされていましたが今年度からは必置のものとなっています。当ホームでは、法令に位置付けられた令和3年中に策定し、既に何度かの更新とともに年に数回の訓練と研修、ホーム独自の勉強会などで理解と実行力を高めているところです。
今回の訓練は大規模地震により長時間停電が発生した状況を想定して実施しました。当ホームは停電が発生すると非常用発電機が自動的に稼働するシステムになっています。これが稼働することによって、館内すべてではありませんが、照明や最低限の生活設備の電力を賄うことができます。また、いくつかのコンセントもカバーしており、災害時に使用できるコンセントはわかりやすいように色分けしています。
停電時には、この非常時でも使用できるコンセントにリールコードや延長コードを繋ぎ、入居者様の安全や安楽のために設置しているエアマットやセンサー等の電力を要する福祉用具の電源を確保します。
無事に電源を確保し、福祉用具を継続使用できる環境を整えた様子です!(^^)!
また、ベッドから離れることのできる入居者様は、食堂などの共有部に集まっていただき、見守りの体制を強化します。見守りの目を分散せず集中することでリスクの軽減と回避に繋がります。
他にも電源を確保する機器を日ごろから管理しています。発電量は少ないものの、スマホやパソコンなどを充電するには十分な発電を可能とするポータブル発電機を稼働させる訓練も行いました。このポータブル発電機は、カセットコンロを燃料として発電することができます。
非常食も実際に調理して昼食として入居者様に提供しました。非常食にも賞味期限があります。無期限に保管できるものではないからこそ、期限内に消費するサイクルを作ることで「万が一の災害時に期限切れで口にすることができない」ということがないようにしています。栄養士と相談・調整し、年に数回非常食を提供する献立を作ることで無駄にしないように提供するとともに、年数回のBCP訓練ではかならず調理・提供しています。ちなみに寸胴鍋を3つ並べて調理していますが、この調理機器はカセットコンロで発熱するもので、ストーブとして使用することもできるものでもあります。
このように、BCP訓練では様々な要素と角度から、実際に災害を想定した一連の流れのある訓練であることが重要です。ここに記載はしていませんが、実際の行動訓練として、災害本部を設置したり、人員を招集する訓練も並行して行っていることも加筆しておきます。
南海トラフ地震や首都直下型地震を始めとした大規模地震への備えとともに、地球環境の変動による異常気象を原因とした災害も危惧されている現在、BCP策定やその理解、BCPに基づく訓練によってより現実感をもってシミュレーションし、訓練による実践と備えをしておくことが、命を預かる私たち介護事業者の役割と認識し、今後も積極的に取り組んでいきます。